日々のケア 〜がんばりすぎひん体とこころのストレッチ
「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があります。
こころ(精神)と体(身体)は切り離せないものであり、お互いに深く影響し合っているという意味です。
私の経験からひとつ付け加えるなら、心身のバランスは、水の流れのように「必ず弱っている(低い)方」へ引っ張られてしまいます。
体調は悪くないのに、なぜかこころが重だるい。
逆に、体の調子が思わしくなくてメンタルまで沈んでしまう。
きっと皆さんも、こういった経験が何度も微かにあるのではないでしょうか。
体もこころも、使わないものは少しずつ硬くなり、退化していってしまいます。
普段から少しでも「動かすこと」を意識していると、その変化を優しく、緩やかにすることができます。

こころを放っておくと、いつの間にか凝り固まって動きにくくなってしまいます。
そこで、私が普段から実践している「ヒョウリ流 ボディ&ハートストレッチ」をご紹介します。
どれも道具はいりません。今日から、簡単にできるものばかりですよ。
1. ボディスキャン(寝たままできる、心の観察)
一般の瞑想のように「息だけに集中する」のは雑念が入って難しいという方(私もそうでした!)におすすめの、寝たままできる方法です。
- 手順:
- 落ち着ける場所で仰向けに横になり、2〜3度深呼吸をします。
- 鼻から吸った息を「おでこ」に届けるイメージを数回繰り返します。
- 意識のスポットライトを、【頭頂部 ➔ 後頭部 ➔ 首周り ➔ 両腕 ➔ 指先 ➔ 胸(心臓・肺)➔ お腹 ➔ 足 ➔ つま先】へと、少しずつ上から下へ移動させていきます。
私の場合は、最初は「栄養剤のような温かい液体が体を流れていくイメージ」でやっていました。慣れた今では、声には出さずに「今日も一日ご苦労さん、ありがとね♪」と身体の隅々に声をかけています。大抵、つま先にたどり着く前に寝落ちしています(笑)。
2. セルフマッサージ(我慢強い人ほど、顎が凝っている)
移動中やテレビを見ながら、いつでもどこでも道具なしでできます。
- 手のひらほぐし:
片方の手で、もう片方の手の「親指の付け根」や「指の骨が交わるところ(手首側)」を、軽い力で押しほぐします。 - 耳と顎(あご)のほぐし(特に就寝前におすすめ!):
我慢強い方や、ストレスを抱えている方は、無意識に歯を食いしばる癖があります。- 顎の付け根(耳のすぐ横)に指を添えて口を大きく開けると、くぼみができます。そこを指先で優しくほぐします。
- 顎のラインに沿って、親指と残りの指で挟むようにマッサージします。
- 最後に、耳たぶを斜め後ろに引っ張ったり、耳の中央を持って円を描くように回します。
こころの問題を抱えている方は、自律神経が乱れがちです。耳にはツボがたくさん集まっているので、これだけでも驚くほどリラックスできますよ。
3. 肩甲骨ほぐし(浅い呼吸を深くする)
パチンコやスロット台、あるいはスマホの画面を、長時間食い入るように眺めてしまうギャンブル。どうしても手の位置が下がり、頭が前に出て、背中が丸まってしまいます。
猫背になると内臓が圧迫され、自律神経に最も大切な「呼吸」が浅くなってしまいます。
- 手順:
- 後ろで手を組み、無理のない範囲で上下に動かします。
- 肩甲骨を意識しながら、前回し・後ろ回しを各10回ずつ行います。
- 最後に、ギュッと肩を上げて肩甲骨を寄せ、そのままストンと下ろします。そこからさらに「もう一段下へ下ろす」イメージを持つと、首が伸びて胸が開きます。
どうですか?自然と呼吸が深く、楽になりませんか?
続けているうちに、丸まっていた背中もスッキリして見えてきますよ。
4. 超軽めの自重(じじゅう)トレーニング
筋肉をムキムキにするためではなく、自分の体に意識を向けるための3つのメニューです。
- ① ぽっこりお腹に効く「足上げ(レッグレイズ)」
寝転んでバンザイをし、体を一直線にします。足を伸ばしたまま、ゆっくり90度(つま先が天井を向く)まで上げて、ゆっくり下ろします(5〜10回)。- ⚠️ 注意点:反り腰の方は腰の下に隙間ができないよう、床に腰を押し付ける意識で行ってください。
- 余裕があれば、足を上げた状態から左右にゆっくり振る(スイング)と、横っ腹が引き締まります。
- ② 「膝つき腕立て伏せ & ヨガのポーズ」
うつ伏せから、つま先ではなく「膝」をついた状態で上半身を持ち上げます。
その後、四つん這いになり、背骨をひとつずつ意識しながら「猫のように背中を丸める(下腹を見る)」➔「背中を反らせて最後に顎を上げる」を繰り返します。 - ③ まっすぐ腰を落とす「ワイドスクワット」
足を肩幅より広めに開き、つま先も外側に向けます。手は後ろで組みます(こうすると前傾姿勢になりません)。そのまま真っ直ぐ腰を落とします。慣れたら、一番低い位置で軽く小刻みに上下に揺すり、股関節をゆるめます。
最後に:自分に意識を向けるということ
これらのケアを紹介したのは、ただ体力をつけるためだけではありません。
依存症に苦しむ多くの方は、これまでずっと、自分の本当の気持ちや体の悲鳴を横に置いて、他人の評価や目の前の衝動ばかりを優先して生きてこられたのではないでしょうか。
「今、自分の体はどこが凝っているかな?」
「呼吸は浅くなっていないかな?」
そうやって、1日数分でもいいから「自分自身に意識を向けてあげる」こと。それ自体が、がんばりすぎてしまうあなたの大切な回復の第一歩になります。


