スモールステップのすすめ 〜脳をだまして「勝ち癖」をつけよう〜
これまでにも少し触れてきましたが、私たち人間には、本能的に「変化を嫌う」という防衛機能が備わっています。
何かを始めようとしたのに、三日坊主で終わってしまう主な原因も、実はあなたの意志の弱さではなく、この本能の仕業なのです。
今度こそ「さぁ、やるぞ!」と気合を入れて、形から入って道具まで用意したのに、気づけば「またダメだった……」なんて経験は、皆さんにも心当たりがありませんか?
「今はタイミングじゃなかったんだ」「ちょっと体調が優れないから明日にしよう」と、自然と言い訳が浮かんでくる。
これは、あなたのやる気に対して、脳が「変わるのが怖い!元に戻りなさい!」とノイズ(邪魔)を起こしているサインなのです。
では、この強力な本能を前に、私たちはどうすればいいのでしょうか?
現在地と目的地が離れすぎていませんか?
何かを始めるということは、そこに「目標(目的地)」ができたということです。
その目標は、大きければ大きいほど素晴らしいことに思えます。
しかし、あなたの今の状態(現在地)と、目標(目的地)があまりにも離れすぎていると、途中で道を見失って元も子もなくなってしまいます。
そうならないために大切なのが、「最終目標を見失わないように、まずは迷いようのない『すぐ近くの場所』に中継ポイントを決める」という方法です。
ひとつ目のポイントにたどり着いたら、次のポイントへ。そうやって、すごろくのように進んでいくのです。
脳が気づかないくらい「小さく刻む」
例えば、健康のために「毎朝ジョギングをしよう」と決めたとします。
ここで一気に走ろうとするから、脳の防衛本能が暴れ出します。そうではなく、以下のように限界まで小さく刻んでみるのです。
- ステップ1: 前夜のうちに、枕元にウェアを置いておく(これだけで翌朝すぐ動けます)
- ステップ2: 翌朝、とりあえずシューズを履くところまでやってみる
- ステップ3: 別の日には、シューズを履いて外に出てみる
- ステップ4: 外に出て、少しだけ歩いてみる
「えっ、それだけでいいの?」と思うくらい、少しずつ、少しずつできることを増やしていきます。

実は、これくらい小さな変化だと、脳は「変化していること」に気がつきません。
防衛本能に邪魔されず、朝の空気に触れて「あぁ、思った以上に気持ちええなぁ」と感じられたら大成功。脳はその「良いイメージ」を心地よく記憶します。
これで、あなたの人生のキャンバスに、新しい絵の具を一筆、そっと置くことができたのです。
このように、小さく刻んで目標に近づけていくやり方を、私は「スモールステップ」と呼んでいます。
小さな「勝ち癖」が、大きな自信に変わる
「負け癖」や「勝ち癖」という言葉があります。
何度も同じ失敗を繰り返していると、心が傷つき、「自分はどうせできないんだ」と諦めることが当然(負け癖)になってしまいます。
だからこそ、どんなに小さくてもかまいません。
「昨日用意したウェアに袖を通せた」「外に出て深呼吸ができた」という小さな「できた(勝ち癖)」を丁寧に積み重ねてみてください。
その一歩一歩は外から見れば小さな表現かもしれません。
しかし、その積み重ねによってあなたの心に身につくものは、将来のあなたを支える本当に大きくて、揺るぎない自信になります。
できない自分を責めるのはもうおしまい。
ぜひ、あなただけの優しいスモールステップで、やりたいことを始めてみませんか?

