なぜ、「こころの仕組み」を知る必要があるのか?

あなたが今、ギャンブルをやめられないことや、日々の生きづらさに苦しんでいるとしたら、どうか「自分を弱いからだ」とご自身を責めないでください。

あなたが苦しいのは、根性が足りないからでも、反省が足りないからでもありません。ただ、私たちの「こころの仕組み」が、そのように働く性質を持っているからに過ぎません。

例えば、車の運転をするときに、アクセルやブレーキの仕組みや操作方法を知らなければ上手に運転できないのと同じです。私たちのこころも、その仕組みを知らなければコントロールが難しくなってしまいます。

最初にこころの仕組みを学ぶ理由は、大きく分けて2つあります。

  • 自然と湧き上がるネガティブな感情に、振り回されなくなるため、自分自身と向き合いやすくなるため。
  • 過剰に自分を責めたり、自暴自棄になるのは依存症を悪化させます。仕組みを知ることで、こうした悪循環を抑える効果が見込めるため。

仕組みを知ることは、自分を責めるのをやめ、本当の回復へ向かうための「最初の安心のステップ」です。まずは、私たちのこころがどんな性質を持っているのか、一緒に優しく紐解いていきましょう。

過去の記憶は消せない。だから、新しい色で「上書き」していく

私たちは、過去の経験や傷ついた記憶を完全に消し去ることはできません。ギャンブル依存症の背景にある「生きづらさ」も、これまでの人生で積み重なった思考の癖が原因です。

楽生会では、潜在意識を無理に「書き換える」のではなく、新しい経験や感情で「上書き」していくアプローチをとっています。

イメージしてみてください。

例えば手元に、ムンクの『叫び』のように、暗く悲しみに満ちた一枚の絵画があるとします。その作品を消し去るのではなく、上から一筆、また一筆と、あなたが望む新しい色を丁寧に重ねていくのです。

時間はかかるかもしれません。しかし、少しずつ新しい色を重ねていけば、やがてそれは「なりたい自分」という全く新しい作品へと生まれ変わります。

知っておきたい「こころの性質」

こころの仕組みには、いくつかの特徴があります。これらを知るだけでも、自然と湧き上がるネガティブな感情を「あ、仕組みが働いているんだな」と客観的に受け入れやすくなります。

・ホメオスタシス(恒常性)と現状維持バイアス

人間の脳は、良くも悪くも「今の状態を維持しよう」とします。新しい一歩を踏み出そうとするときに不安や拒絶反応が出るのは、脳があなたを守ろうと現状を維持しようとする自然な仕組みです。

ヒョウリ

「変わりたいのに変われない」と自分を責める必要はありません。それはあなたの意志が弱いのではなく、脳の防衛本能が正常に働いている証拠です。

・RAS(脳のフィルター機能)

私たちの脳は、自分が「重要だ」と思っている情報(関心ごと)だけを無意識に集める性質があります。意識が変われば、見たい景色、入ってくる情報が劇的に変わり始めます。

ヒョウリ

「どうせ自分なんて」と思っていると、脳はネガティブな証拠ばかりを集めてしまいます。だからこそ、アンテナの向きを変えられる工夫をします。

楽生会で取り組む「ノートワーク」

楽生会では、このこころの仕組みを利用して、日常の中で潜在意識に新しい色を上書きしていく「ノートワーク」を実践しています。

1.起床時の書き出し(一日のセット)

朝起きたとき、「今日はあの人に会える」「今日はあのことが叶う」「今日は例のことが起こる」「あのことができるようになる」などを書き出します。

2.就寝前の振り返り(一日の肯定)

就寝前に今日一日を振り返り、朝書き出した内容も含めて、うれしかったこと、できたこと、感じたことなどを、どんな小さなことも書き出します。

3.近未来の「なりたい自分」を描く

できるだけ近い将来になりたい自分をイメージして書き出します。大切なのは、ビジュアル(見た目)だけではありません。その時の自分を想像したときに包まれる空気感、漂う香り、聞こえてくる音など、その空間を五感で「ありありと感じる」ことができれば、それだけであなたのこころにはすでに新しい色が塗られています。

まずは、安心できる場所から

心の奥底に閉じ込めた「生きづらさ」に色を重ねていくためには、まず安心してこころを開ける居場所が必要です。

楽生会は、「話せる雰囲気作り」「ニックネーム、秘密厳守」といった安心の土台を徹底しながら、「がんばりすぎひん回復」を応援します。誰にも言えなかったこと、一人で抱えてきた孤立から、まずは一歩進んでみませんか。あなただけの新しい作品を、一緒に少しずつ描いていきましょう。

ここまで「楽生会」についての活動内容を書いてきましたが、詳しくお伝えするために、管理者のブログで補足しています。より詳しい内容をご確認いただけるようであれば、「カテゴリ別・ブログ記事一覧表」をご覧ください。