ご家族へのメッセージ


このブログにたどり着き、ご縁があったということは、すでに大変な思いをされてこられたのだと容易に想像がつきます。

また、当事者である私が、全く反対の立場であるご家族に対してコメントを残して良いものかどうか大変迷いましたが、当事者だからこそ分かることもあり、この記事を書くこととしました。

ご家族が「おかしい」と気がついたり、疑ったりする時点で、ご本人はすでに重症です。どこかから通知や連絡があった、もしくは本人からカミングアウトを受けたからだと想像します。他には、家庭内窃盗など、お金や物がなくなることもあったかもしれません。

これらは、すでにご本人がご自身の行動をコントロールできなくなっている証拠(あかし)です。

ギャンブル依存症というこの病には、いくつかの特徴的なことがあります。

まずひとつ目。ギャンブル依存症での一番の困りごとは、なんといっても金銭的なトラブルです。

ここで注意していただきたい、ご家族が絶対にしてはいけないことがあります。
それは、「借金の肩代わり(尻拭い)」です。

私の知り得る限り、肩代わりをした後に問題が安定して解決したという事例はありません。必ずと言っていいほど再発(スリップ)してしまいます。目の前の借金を肩代わりすれば、一時的に「借金問題」は解決します。しかし、一番の根底にある問題は「病気」です。そこが放置されたままでは、二度、三度……いえ、余程のことがない限り、本人も家族も苦しみ続けることになります。

依存症になったのは、本人だけの責任ではありません。しかし、起こしてしまった問題は本人の責任であり、本人が解決しなければならないのです。

仮に借金額が大きく、本人の力だけでは返済の目処が立たないといったケースでは、家族が肩代わりするのではなく、弁護士など専門家の力を借りるようにしてください。

ふたつ目の特徴は「否認」です。絶対と言ってもいいほど、一連の問題を認めません。

本人は「いざとなったらやめられる」と本気で思っています。周囲の方には理解できないと思いますが……。

こと依存に関しては、頭の中がぐちゃぐちゃになっています。

恥ずかしさや、カッコ悪いというプライドも邪魔をしますし、一番は「病気を認めた先にある、自分の状態」が怖いのだとも思います。

こころの内は本人にしか分かりません。ひょっとしたら、本人も自分の考えと違う行動をとってしまう「自分自身」のことが、分からなくなっているのかもしれません。

家族とはいえ、そんな当事者の状態を理解するのは本当に困難です。

だからこそ、そうした方のための「受け皿(専門の相談先やコミュニティ)」が必要なのですが、今の日本ではまだ十分に本腰が入っていない現状と言っても差し支えないと感じています。

もう一点付け加えるなら、幼少期の(特に家庭環境の)影響が大きいのですが、この内容は別の記事に書きます。

最後に……。私も状態が落ち着いた今だから言えることなのですが、当事者には「安心して落ち着ける居場所」がありません。

もしご家族の方にできることがあるとするなら、それは「安心できる居場所の提供」かもしれません。

それは、今までにない特別なことを新しく始めるというよりも、ご家族のひとりひとりが、まずは自分自身の人生を楽しんで過ごしている環境こそが理想だと思っています。

それぞれが自立した状態で、お互いを支え合う「相互依存(健康な支え合い)」の関係が望ましいと、私も教わりました。

ご家族だけで抱え込まず、まずは誰かに話を聞いてもらってくださいね。楽生会ではご家族からのご相談もお待ちしています。