ノートワークをおすすめする理由
楽生会では、依存症の回復を「我慢だけ」に頼ることはおすすめしていません。かえってストレスを溜め込んでしまう結果になることを、私自身の経験からも痛感しているからです。
もちろん、やめると決意して「脱依存」へのスタートを切った直後は、波のように何度も襲ってくる衝動に対して、我慢が必要な時期もあります。
ただ、我慢だけに頼るのではなく、根底にある「生きづらさ」や「不安」そのものを軽減させていくこと。そして、意識の向き先を別のところへ変えていくことで、自然と(ギャンブルなどの)依存対象から距離を置けるようになっていきます。
その先にある回復のゴールは、「依存対象を必要としない自分」になることです。
私たちが見ている世界は、目の前にあるすべての風景や出来事をそのまま認識しているわけではありません。
あなたが無意識のうちに「見たい(興味がある、重要だ)」と思っているものだけを脳が勝手に拾い集め、編集された世界を見せられているのです。
なぜなら、脳が世界にあふれる途方もない情報量をすべて真面目に受け入れてしまうと、パンクしてしまうからです。そのため、脳はあらかじめ的を絞って情報処理を行っています。
みなさんも、こんな経験はありませんか?
- 「車を買い替えたい」と思ったら、今までは何気なく見ていた周囲の車の中に、その車種や色がやたらと目に飛び込んでくる。
- 「秋の旅行計画を立てよう」としたら、駅のパンフレットやテレビの紅葉情報が、急に目につくようになる。
脳は、このように「今の自分に必要な情報」を自動で集める仕組みを持っています。
だからこそ、もし普段から強いネガティブな感情や不安に囚われて過ごしていると、五感から入ってくる情報も、勝手にネガティブなものばかりに偏ってしまうのです。
とはいえ、「じゃあ、今日からポジティブに生きよう!」と思っても、なかなか簡単にはいきませんよね。
それは、私たちがこれまで生きてきた経験や記憶が、自然と湧き出る感情や無意識の行動をコントロールしているからです。
また、人間の脳や防衛本能には「これまでの状態を維持して命を守ろう」とする仕組みがあります。そのため、新しい変化をリスクだと捉えて拒絶しようとする性質があるのです。
こうした脳の仕組みを踏まえた上で、無理なく「小さな小さな変化」を積み重ねていくために、私が一番おすすめしているアプローチ。
それが、「ノートワーク」です。
次回の記事(ノート活用法1)では、具体的にどういう方法で行うのかを詳しく説明します。👇


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